診療科・部門紹介

臨床検査部

部門の概要

臨床検査は、古くは医師が病気を診断する際に必要な情報を得るために行なっていました。やがて、医学の進歩に伴い検査技術も高度化、多様化したため、検査業務を専門に行う「臨床検査技師」という国家資格が誕生しました。私たち臨床検査技師は、検査分野のプロとしての自覚と責任を持ち、当院がより良い医療を提供できるよう心がけております。
臨床検査科は、検体検査と生理検査に大別され、筑波記念会に属ずる筑波記念病院、筑波総合クリニック、つくばトータルヘルスプラザの各施設で業務を行っています。
臨床検査科の業務実績は年報を御参照下さい。

各検査の説明

検体検査部門

血液・尿・便・喀痰など人から採取される検体と呼ばれるものを検査します。
特に、血液からは非常に多くの情報を得ることができます。検体検査は更に、生化学・血液学・免疫学・輸血学・細菌学・病理学・遺伝子学などに細分化されます。これらの大半は、分析器という機械によって数値化された検査結果を出し、基準値というあらかじめ設定されている数値と比較して判断します。検査項目は多岐にわたるため全てを施設内で実施することは困難です。至急で知りたい項目を選定して施設内で実施し、それ以外の項目は外部の検査会社が検体を回収し、検査実施後結果を報告します。
臨床検査技師11名(2017年現在)が、院内実施の検体検査に従事しています。夜間・休日も1名が交代制で対応しています。

1)検査項目
  • ・生化学【34項目】・尿・便検査
  • ・薬剤血中濃度【8項目】・穿刺液・髄液検査
  • ・腫瘍マーカー【5項目】・血液ガス
  • ・免疫学【12項目】・POCT【10項目】
  • ・血液学【血算・血液像・血沈】・尿素呼気試験
  • ・凝固【5項目】
2)検査機器
  • ・生化学自動分析装置2台
  • ・血糖自動分析装置1台
  • ・グリコヘモグロビン自動分析装置1台
  • ・多項目自動血球分析装置2台
  • ・多項目自動凝固分析装置1台
  • ・赤沈自動分析装置1台
  • ・多項目自動免疫分析装置1台
  • ・多項目自動尿分析装置1台
  • ・多項目自動ガス分析装置3台(救急外来・手術室・ICU)
  • ・便潜血自動血球分析装置1台
  • ・自動採血管準備装置1台

病理・細胞診検査部門

病理検査は、手術・内視鏡検査などで採取した検体を標本に作製し、顕微鏡で病態を診断する検査です。標本の作製は主に検査技師が、診断は病理医が行います。病理検査は、病態の最終的な確定診断となります。また、手術前に診断がついてない場合や、癌などの病変の広がりなどを手術中に標本作製し迅速診断します。
細胞診検査は、喀痰・尿・婦人科材料・乳腺や甲状腺などの穿刺材料を標本に作製し、顕微鏡で診断します。診断は、細胞検査士2名(2017年現在)と専門医で行います。
また、血液内科では必須検査ともいえる骨髄検査は、ベッドサイドで検査技師が標本作製を行います。

輸血検査部門

貧血や手術時の血液補充のために輸血が行われます。
輸血に必要な血液製剤は、献血によって血液センターで作られます。
従って、無駄のない製剤管理が必要になります。また、他人の血液を体内に入れるため、移植と同じように事前の検査が必要です。このような製剤管理と検査を専門に行っています。

1)検査項目
  • ・血液型
  • ・直接・間接クームス試験
  • ・不規則性抗体スクリーニング
  • ・交差適合試験
2)検査機器
  • ・自動輸血検査装置1台

生理検査部門

生理検査とは、様々な機器を用いて体から発生する生体情報を得ることにより、機能的・形態的異常がないかどうかを調べる検査です。
臨床検査技師の役割としては、正確な検査結果を得ることはもちろんのこと、結果を的確に解釈、判断し、医師に報告する技術も求められます。
高度な医療に対応できるよう、検査技師は能力向上のために、日々各種学会への参加や認定資格の取得にも努めています。

1)検査項目
  • ・心電図検査(レートポテンシャル, CV R-R)
  • ・24時間心電図検査
  • ・トレッドミル検査
  • ・24時間血圧検査
  • ・心臓超音波検査
  • ・経食道心臓超音波検査
  • ・下肢静脈超音波検査
  • ・血圧脈波検査(ABI, TBI, CAVI)
  • ・呼吸機能検査
  • ・呼気NO濃度検査
  • ・脳波検査
  • ・神経伝導検査(筋電図検査)
  • ・術中モニタリング検査(MEP, ABR)
  • ・ABR(聴性脳幹反応)
  • ・聴力検査(チンパノメトリー, 耳小骨筋反射)
  • ・尿素呼気試験
  • ・CGM(持続血糖測定装置)
  • ・睡眠時無呼吸症候群簡易検査
2)検査機器
  • ・心電図検査装置3台
  • ・呼吸機能測定装置2台
  • ・血圧脈波検査装置2台
  • ・超音波診断装置4台
  • ・24時間心電図記録器14台
  • ・12誘導24時間心電図記録器1台
  • ・24時間心電図解析装置3台
  • ・24時間自動連続血圧計3台
  • ・脳波計2台
  • ・筋電図・誘発電位検査装置2台
  • ・トレッドミル負荷装置1台
  • ・CGM(持続血糖測定装置)1台
  • ・呼気NO濃度測定装置1台
  • ・オージオメーター2台
  • ・インピーダンスオージオメーター2台
3)主な検査
  • ①心電図検査
    心臓が拍動する際に発生する弱い電気信号を胸部および手足に装着した電極で検査し、波形として記録する検査です。虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)や不整脈など心臓の異常の有無について調べる事が出来ます。
  • ②呼吸機能検査
    肺活量や呼吸状態を検査することにより、呼吸器疾患の有無や重症度を調べることが出来ます。肺気腫や気管支喘息などの閉塞性疾患、肺線維症などの拘束性疾患などの鑑別をすることが出来ます。
  • ③超音波検査
    人間の耳には聞こえない高い周波数を使い臓器の形態や血流、機能を調べる検査です。生理検査室では、心臓と血管(下肢静脈)の検査を行なっています。心臓超音波検査では、心筋梗塞や弁膜症などの心機能全般を調べることが出来ます。下肢静脈超音波検査では、深部静脈血栓症や下肢静脈瘤の有無などの検査が可能です。
  • ④血圧脈波検査
    手足の血圧と心音を同時測定することで、血管の詰まりや硬さなどの動脈硬化を調べることが出来ます。主に、閉塞性動脈硬化症の有無や程度の判定に使用します。
  • ⑤24時間心電図検査
    1日の心電図を検査することにより、睡眠中などの日常生活の中での不整脈や心電図変化を調べることが出来ます。病院での短時間の心電図ではわからないような不整脈の検出などに有用です。
  • ⑥トレッドミル検査
    狭心症が疑われる時に、心臓に一定の負荷をかけて検査します。ベルトコンベアーの上を歩いたり、走ったりすることによる心電図や血圧の変化を調べる検査です。その他、不整脈の誘発や消失を調べることにも使われます。
  • ⑦脳波検査
    脳の活動により生じる微小な電気信号を、頭皮上に装着した電極で調べる検査です。脳波を検査することで、てんかんや脳血管障害、神経疾患などを調べることが出来ます。検査時間は、30分~1時間です。検査目的などによっては、睡眠中の脳波を調べることがあります。
  • ⑧神経筋電図検査
    上肢や下肢の末梢神経を電気刺激し、刺激から反応までの時間や反応様式を調べる検査です。運動障害や知覚障害などの原因が、筋によるものか神経によるものか、またその障害部位や障害の程度などを調べることが出来ます。
  • ⑨呼気NO濃度検査
    呼気中に含まれる一酸化窒素(NO)濃度を測定することで、気道の好酸球性炎症の程度を調べることが出来ます。喘息などによる気道の炎症の程度や重症度または治療反応性などの指標となります。

健診部門

筑波記念会には、つくばトータルヘルスプラザという健診施設があります。
施設内での心電図・肺機能・眼底・腹部超音波などの生理検査や採血検体の検体検査を臨床検査技師が担っています。検査結果を報告書として作成する過程で、データチェックを行います。また、医師や看護師と共に企業や学校などにほぼ毎日出張して、心電図検査などを実施します。

初期研修プログラム

研修目標

  1. 4月末までに社会人や医療人としての基礎を学び自覚をもって行動出来る
  2. 6月末までに医療安全や感染対策について知識を習得し、基礎的な検査項目を自己責任の下、行う事が出来る
  3. 12月末までに基本的検査項目について意義や結果解釈を正しく行い、必要な助言のみで検査を行うことが出来る
  4. 3月末までに解析業務を含めた総合的結果解釈を行い、初年度の成果を自己総括する
研修目標

内容

  1. オリエンテーション
    臨床検査科としての業務内容・勤務形態・部内ルール等について研修する
  2. 接遇研修
    患者接遇・院内業務連絡等について研修する
  3. 臨床(実践)研修
    各検査について見学および監督下に実施するとともに、検査の意義や結果の解釈について研修する
  4. 実践応用研修
    検査の意義や目的を理解し、病態を含めて総合的に結果解釈や結果解析を自己責任下に行う
  5. 研究発表会
    それぞれにテーマを決めて、1年間の業務成果として発表する
  6. 初期研修総括、次年度研修立案
    初年度を振り返り、自己の課題や能力を評価し、次年度の目標を設定する

※輸血室や病理室へ配属される者は、採血室研修終了後、各研修計画に準じて研修を行う。

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