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第07回:肺癌の早期発見、治療と予防戦略(禁煙)
( 2003年09月18日 掲載 )

■肺癌は増加している

■部位別がん死亡率

■肺癌の治療の現状
手術・ 化学療法(抗癌剤)・ 放射線治療

【肺癌を根治するには】
現在肺癌を完全に治すことのできる抗癌剤はない
根治手術できる小さい肺癌を早期に発見し手術治療するしか根治はない
小さい肺癌を発見できる検診方法が必要

■肺癌の大きさによる治癒率
2cm以下の大きさの肺癌  80~90%
1.5cm以下  90%~
1cm以下  99%~

2cm以上では転移の可能性が多くなり治癒率はかなり悪化
できるだけ小さいうちに発見する必要がある

■肺癌検診
現在一般的に行われている肺癌検診
胸部レントゲン写真・ 喀痰細胞診

胸部レントゲン写真の欠点
・直径1cm以下の肺癌を発見するのは困難
・肺全体の約30%は心臓、血管、横隔膜などの死角となり写らない部分がある
・正常を異常と判断することがある(例えば乳首、血管、肋骨)

■ヘリカルCTの有用性
胸部レントゲンで死角となってしまうところも映すことができる
肺の隅々まで映すことができる
小さい癌(1cm以下)が発見できる

【ヘリカルCTの被爆線量】
一般の肺癌検診の胸部間接撮影の10回分ぐらい
胃癌検診の胃造影検査の被爆線量よりは少ない
胃癌検診の被曝線量は公的に問題とならない線量である

ヘリカルCTのコスト
胸部レントゲン写真より高額である

⇒治る肺癌の早期発見にはヘリカルCTを使用する肺癌検診、肺ドックを

以上より肺癌を治る状態で発見し、根治手術を行うには胸部レントゲン単独の肺癌検診、人間ドックでは不十分で、ヘリカルCTを使用した肺癌検診、人間ドックを受ける必要があります。
現在の住民検診での肺癌検診、会社の検診でもヘリカルCTの導入はありません。
自ら進んで肺癌検診としてヘリカルCT検診を受ける必要があります。人間ドック受診時はオプションとしてヘリカルCTによる肺癌検診を受けることをお勧めします。

■胸部レントゲンでは発見できずヘリカルCTで発見できた症例

■胸部CTで認められ、胸部レントゲンでは認められなかった肺癌の例

【心臓の後ろの肺に肺癌ができた】

■進行肺癌

■肺癌の診断
【肺癌の確定診断には組織診断または細胞診による肺癌の確定が必要】
・気管支鏡下肺生検、擦過細胞診
・CTガイド下針生検

【小さい肺癌ほど確定診断が難しい】
気管支鏡検査、CTガイド下検査で確定診断がつかないときは
胸腔鏡下肺部分切除、または開胸肺部分切除により腫瘍の部分を切除し確定
診断する
最近はCTの腫瘍陰影の状態から肺癌の可能性が強い陰影がわかってきた

■早期肺癌の手術
一般的に肺癌の根治手術は肺葉切除術、縦隔リンパ節郭清術が基本であった
最近極小さい肺癌に関しては縮小手術でも十分根治可能であるとの見解もある

・肺部分切除術、肺区域切除術
リンパ節郭清の省略、簡略化
胸腔鏡を使用した小さな創で施行する手術も可能となっている

■肺癌の予防
肺癌と喫煙の関係
喫煙習慣と肺癌による死亡の関連性
喫煙者が肺癌で死亡するリスク
非喫煙者のリスクを1として、
喫煙男性4.46倍
喫煙女性2.34倍
肺がん予防には禁煙が最も重要

■1日あたりの喫煙本数と肺癌死亡リスク(倍率)

非喫煙者
1日1~9本2.27
1日10~19本3.13
1日20~29本4.99
1日30~39本6.38
1日40~49本9.57
1日50~59本14.08

■禁煙後の肺癌死亡リスク(倍率)

非喫煙者
禁煙後 0~4年2.27
禁煙後 5~9年3.13
禁煙後 10~14年4.99
禁煙後 15~19年6.38
禁煙後 10年~9.57

■ニコチン依存度テスト
禁煙がうまくいかないのはニコチン中毒、ニコチン依存のため
下のニコチン依存度テストをやってみてください。

質問0点1点2点3点
1日に何本くらいタバコをすいますか10本以下11~20本21~30本31本以上
朝起きて何分くらいでタバコがすいたくなりますか1時間以降1時間以内30分以内5分以内
午後より午前中にタバコを多くすいますかいいえはい  
風邪を引いて咳がでる時にもタバコをすいますかいいえはい  
今タバコを吸えない事がつらいですかいいえはい  
一番うまいと思うのは朝一番のタバコですかいいえはい  
合計    

3点以下;依存度低い 4~6点;中等度 7点以上;依存度高いと判定

■ニコチン依存症のための禁煙補助薬
【ニコチンガム・二コレット】
・タバコが吸いたくなったら二コレットをかむことでニコチンが体内に吸収されニコチンの禁断症状を抑える。
二コレットを使用する回数を減らし最終的には二コレットもやめ禁煙成功。
・薬局で医師の処方箋なしに購入可能

【ニコチンテープ ニコチネルTTS】
・ニコチンが皮膚から体内に吸収されニコチンの禁断症状を抑える薬。1日1枚を皮膚に貼り使用。
・医師の処方箋が必要
・呼吸器外科外来受診 禁煙相談(自費になります)

■まとめ
肺癌を治すためには根治手術できる状態での発見が必要です。
小さければ小さいほど治りやすいため、ヘリカルCTを使用し早期発見することが重要です。
肺癌の予防にはまず禁煙が必要です。

特に
・タバコを20年以上吸っている方
・咳、痰が出る方
・同居者にヘビースモーカーがいる方
・血縁者に肺癌の人がいた方
・お酒を飲むとついタバコを吸いすぎてしまう方
・結核や肺疾患の既往のある方
に検診をお勧めします。

※執筆者の所属は、執筆当時のものです。

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