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乳癌の今

 乳癌は欧米に比べ日本では比較的まれでしたが年々乳癌にかかる人の数は増加しています。年齢調整の罹患率では現在女性のがんの中で第1位となっており、今後も増加が予想されています。

なぜ乳癌は増えているの?
 
生活様式や生活習慣の変化にともなったホルモン環境の変容が原因ではないかといわれています。
 食生活の欧米化により脂肪の多い高カロリーの食事が増えており、それが関連するのではないかと考えられています。
 女性の社会生活パターンが変化し、初潮の低年齢化や、一方での晩婚化などの結果、エストロゲンという女性ホルモンにさらされる期間が長くなっているためと考えられています。 

乳癌検診はどのように行われているの?
 日本の乳癌検診(いわゆる住民検診)は昭和63年に老人保健法で「30歳以上に問診、触診検診を逐年で行う」という形で導入されました。その後視触診単独での検診では乳癌による死亡率減少効果が証明されず、平成12年には「50歳以上にはマンモグラフィ併用検診を行うこと」とする通達が厚生省からなされました。  

マンモグラフィとは?
 X線を用いた乳房の検査です。胸部や腹部のレントゲンを撮る装置とは別の、専用の装置を用い、乳房を板で押さえてはさむように撮影します。通常は一方の乳房に対し左右から(少し斜め)と上下から圧迫をして2方向から撮影しますので、計4枚の写真を撮りますが、検診では左右から圧迫した1方向となります。板で押さえるので検査には多少の痛みを伴いますが、押さえることにより乳房の厚みが薄くなり、少ないX線で撮影が可能です。また正常の乳腺と病変との重なりを少なくすることができ、観察が容易になります。

50歳以上でマンモグラフィが併用されるようになったのはなぜ?
 乳腺はマンモグラフィ上、白く撮ってきますが、年齢が高くなると乳腺の量が減って、脂肪に置き換えられてきます。この脂肪は黒く見えるため若い時には真っ白に見える乳腺が年齢が高くなると少しずつ白い間に黒い隙間ができてきます。乳癌のしこりはマンモグラフィ上は白く撮ってくることが多いため、この黒い隙間が多いほうが正常の乳腺と乳腺の中のしこりを区別する事が容易になります。つまり年齢が高くなるほどマンモグラフィが乳癌の発見に有効な検査法となるわけです。

50歳以下ではマンモグラフィ検査を受けても意味がないの?
 そんな事はありません。乳癌の中にはしこりを作らずに乳管という母乳の通ってくる管に沿って広がっていくタイプのものがあります。このタイプでは乳管の中に石灰化を作りやすく、この石灰はマンモグラフィで検出することが可能です。
しかし、しこりを作るタイプでは正常の乳腺組織と重なって見えにくいことも多いので一緒に超音波の検査もお受けになることをお勧めします。

超音波検査とは?
 音速よりも早い超音波を用いその反射により体の中を見る検査です。妊娠の際に赤ちゃんを見たり、検診で腹部を検査したりということでおなじみと思います。マンモグラフィはX線を用いますので被爆がありますが、超音波検査には被爆はなく、検査に痛みも伴いません。

どこで検査できるの?
 当院併設の「つくばトータルヘルスプラザ」では、女性医師・女性スタッフによる『レディースドック』を開設しており、視触診、マンモグラフィや超音波による乳ガン検診、および子宮ガン検診を受診できます。
 その他、お住まいの自治体でも健診を行っております。詳しくは自治体に直接お尋ねください。

レディースドックのご案内

[TEXT by 鯨岡 結賀, 筑波記念病院 放射線科