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第74回:高齢者疑似体験について
皆さん、こんにちは。今回担当させていただきます、作業療法士の花田です。どうぞよろしくお願いします。今回のお話は、「高齢者疑似体験について」です。
私は、現在、介護老人保健施設つくばケアセンターにて高齢者の方々と接し、リハビリをはじめ、レクリエーションや体操など、さまざまな活動を行っています。学生時代に経験した高齢者疑似体験をいつも思い出しながら、高齢者の方々と毎日過ごしています。
では、それがどのような体験であったのか、簡単に説明したいと思います。
1)まず、以下のような道具を身につけることで高齢者の疑似体験をします。
@耳栓(老人性難聴を体験できるよう高音域の音が遮断される)
Aめがね(白内障による色覚変化や視野が狭い状態が体験できる)
B荷重チョッキ(身体が前屈みとなり動きにくくなる)
C肘サポーター(関節が動きにくくなる)
D靴型サポーター(足首が半固定されつま先が上がりにくくなる)
E重り足・手首(重りを付けると身体が重くなり動作が緩慢になる)
F手袋(物がつかみづらく、指先の細かい作業ができにくくなる)
2)次に、上に示した物を身に着けた状態で実際の生活に準じた行動をします。
例えば、杖を突いて平坦な道やでこぼこ道を歩く、階段の上り下り、自動販売機でジュースを買う、字を書くなど体験する人と介護する人の両方を経験する、などです。
以上1、2の体験を通して、
・ 身辺動作の時に手助けとなる手すりなどの道具や器具の必要性
・ 案内標識など視覚的に分かりやすいものの必要性
・ 皮膚感覚の低下からくる物のつかみにくさや道具の操作のしづらさがあること、また、それにあった介助の方法の検討
・ ゆっくりと話しかけるなどコミュニケーションの工夫が求められること
などを感じ、高齢者の心理的負担や不便さ、介助者の役割、高齢者に優しい環境作りの大切さを学びました。
現在、多くの高齢者の方は、何かしらの身体的な問題を抱えていらっしゃることでしょう。そして、身体的な問題ばかりでなく、認知症(痴呆症)の問題を抱えられた方もいらっしゃることでしょう。このように多種多様な問題を抱えられた方々おひとりおひとりに、きめ細かい手助けをしていくことは、本当に難しいことだと思います。
しかし、高齢者疑似体験などを通して、社会全体が高齢者の方々が置かれている状況を少しでも、知っていくこと・理解していくことで、高齢者に優しい社会に変わってくると思います。機会がありましたら、ぜひ、体験してみてください。
[TEXT :花田 真奈美{作業療法士}]
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