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第133回:田園生活の愉しみ
私は生まれた時から田園地帯で育ったため、成人するまでは田舎の不便さばかり気になっていました。高校卒業後、専門学校への進学に伴い東京での一人暮らしを4年経験しました。就職のため茨城に戻り、再び田園生活が始まると、子供の頃は当たり前すぎて気づかなかった四季を通して変化する田舎の良さに初めて気づかされました。
通勤路として田んぼ道を通ることは私にとって愉しみのひとつです。眠い朝も疲れた帰り道も心癒されます。田んぼは田んぼなだけですが、鑑賞に十分堪えうる存在なのです。今回は、田んぼを鑑賞目的として楽しめるポイントを紹介したいと思います。
[ 春 ]
・冬の間休ませていた田んぼを耕すと、耕運機に付いた土の塊が農道に落ちて
おり、田植えの近いことを知る。
・田んぼに水を入れる。水の張った田んぼが一面に広がる農道を車で走っている
と、湖の上を走っているような錯覚を起こす。水面に映る筑波山、青空、夕陽も
見逃せない。
・日没後の風景はさらに神秘的で、数少ない街路灯や遠くの店の明かりなどが
水面に反射する。
・ゴールデンウィーク直前後に田植えをする。規則的に植えられた苗は、自然の
造形美だ。透明な水中に、おたまじゃくしやタニシが見える。田んぼの角や変形
の田んぼは一部手で植えるので、足跡も残っている。
[ 夏 ]
・苗が育ち、一面緑のじゅうたんとなり、白鷺(しらさぎ)がやってくる。緑の背景に
真っ白の白鷺がますます映える。風にそよぐ苗は爽快感さえ感じる。
・農薬をヘリコプターで撒く(空中散布という)。朝撒くので、小学校は1〜2時間
くらい登校時間が遅くなり、小学生にはうれしい出来事(中・高生は配慮なし)。
・昼はセミ(庭)、夜はカエルの大合唱(田んぼ)は騒音レベル。牛の鳴き声に
似たウシガエル(別名:食用ガエル)も加わり、学生の勉強妨害となる。しかし、
慣れることにより解決。
[ 秋 ]
・苗は段々と緑色から黄金色へ変化していく。イナゴ、バッタの出現。もうすぐ
稲刈り、お米がますます食べたくなる。
・秋晴れの日に、稲刈り。稲独特の素朴な匂いは嗅いだ者にしか分からない。
・米の乾燥や脱穀中の、農家の家の前を通ると舞い上がった米の殻にむせる。
[ 冬 ]
・刈り取りの終わった田んぼは、黄金色のじゅうたんから一転して一気に寂しげに
なる。しかし、大雪が降ると、一面銀世界になる。
四季によっていろいろな表情を見せてくれる田んぼの魅力は伝わったでしょうか。近所に田んぼがない方や今まで田んぼに興味がなかった方、田んぼ道を通りかかったときに少しでも目を向けてくださるとうれしいです。
たかが田んぼ、されど田んぼ。皆さん、お米大好きですよね?!
[TEXT :秋山 如子{言語聴覚士}]
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