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第135回:家屋改修について
みなさんはじめまして。私は現在回復期リハビリテーション病棟のスタッフの一員として働いています。
回復期リハビリテーション病棟とは脳血管疾患や下肢の骨折、また肺炎などの治療中の安静によって体力が低下した方に対して他職種のスタッフがチームを組んで集中的にリハビリテーションを行う病棟です。起き上がりや歩行などの基本動作、食事やトイレ動作などの日常生活動作の向上を目的とした
リハビリテーションを行い家庭・社会復帰を目指します。
また、当院では家屋調査といって、退院前に患者さまのご自宅に伺い、ご自宅の環境を確認し、患者さまの状態に合わせ、家屋調整のアドバイスをさせていただいています。
回復期病棟のスタッフとなってから、今まで多くの患者さまのご自宅に伺わせていただきました。今回は家屋調査で感じたこと、高齢者のための工夫についてお話したいと思います。
高齢者の方々は、運動能力や感覚機能が低下しているため、健常者には何でもない、わずか数ミリ程度の「ちょっとした段差」でも、つまずいたり、転倒・転落したりすることが多くなります。中にはそれが原因で寝たきりになってしまうことも…。
そのため問題となってくる家屋の場所として 玄関、トイレ、浴室 が挙げられます。
玄関まわりでは、昔ながらの家屋の場合、上がり框(かまち)が高い場合が多く、そのため、何段か段差を設置する段差解消や手すりの設置を検討します。また車いすの保管・乗り換えスペースの確保、靴の着脱のための椅子の設置に配慮する必要があります。
トイレは、着衣の脱着動作、体位の方向転換、しゃがみ込み、ドアの開け閉め、段差、介助スペースや車いすの出入り等に配慮が必要です。
トイレ内での転倒防止、出入りや立ち座りを補助するために、適切な位置に手すりを設置します。
和式便器はしゃがみ込みが困難になりますので、洋式便器に取り替えるか、和式便器の上に腰掛便座を置いて、腰掛式にします。また、トイレまでの移動が困難な場合はポータブルトイレの利用をお勧めすることがあります。
患者さまの一番難しい動作となってくるのが入浴動作です。浴室・浴槽内での転倒防止、また、出入りや立ち座りを補助するため、洗い場や浴槽のまわりに手すりを設置します。ご家族の介助負担が大きい場合は入浴サービスの検討なども行います。
こうしたことを考えながら私たちスタッフはアドバイスをさせていただいています。
また実際に患者さまがご自宅に戻られるといつも感じることなのですが、病院でのリハビリテーションの時以上の能力を発揮され、生き生きとした表情を見ることができ、入院前の患者さまの生活を垣間見た印象を受けます。
しかし一方で私に一つの悩みがあるのです。毎月多くのご自宅に伺うせいか友人の家に遊びに行くときや出かける先々で無意識にお家のチェックをしてしまうのです。「ここの玄関は年をとったら上がれないな」とか、「このお風呂は個々に手すりがあったほうが…」などなど、結構気になってしまうことが多いです。そのことを友人に伝えることもできず、全く落ち着くことができません。これも職業病の一種なのでしょうか…
[TEXT :大野 博子{作業療法士}]
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