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165回:呼吸でリラックス

 いつの間にか寒くなり、すっかり冬っぽくなってきましたね。毎年この時期、病院前にどこからか現われる焼きイモ屋さんが気になりつつ未だ食べたことはありません。そして患者さんと外を散歩しているとたいてい「3人前500円は安い」という話題になります。

 ということで冒頭の話とは何のつながりもなく、今回は普段無意識に行っている呼吸についてお話をしたいと思います。「空気を吸ってはく」なんてことは生きていれば当たりまえにしていることですが、実は呼吸にもいくつかの種類があります。中でも今回は「腹式呼吸」について少しご紹介します。

 「腹式呼吸」とは文字の通り、おなかで行う呼吸です。普段私たちが無意識の中でしている主な呼吸は胸式呼吸といって、胸周りの筋肉(肋間筋)の運動でおこなっています。胸式呼吸は男性よりも女性に多いといわれています。腹式呼吸は横隔膜というおなかにある筋肉を使って呼吸する方法です。健康な人は交感神経と副交感神経のバランスが保たれていますが、イライラしていたり、不安を感じたり、焦っていたりなどのストレスでそのバランスが崩れると自律神経が乱れ、交感神経の働きが大きくなり、動悸や頭痛などさまざまな症状があらわれます。また、そのような状況のときは浅く速い呼吸になり、ストレスをますます増幅させてしまいます。
  一方、人はリラックスしているとき呼吸も深くゆっくりとし、副交感神経が働いている状態になっています。ということはですよ、呼吸の仕方一つで心と身の健康をコントロールできる!ということになりませんか?さらに、腹式呼吸では腹圧がかかるため、その刺激を受けて胃腸の働きが活発になり、便秘改善の手助けになります。また、血液の流れもよくなるため、冷え性にも効果的。息むのではなく、腹圧により自然なかたちで排便できます。寝る前に行えばリラックスすることができ、不眠症の方には特にお勧めです。と、いいことづくしの腹式呼吸ですが、「腹式呼吸」は難しいというイメージがあるかと思います。そこで簡単にできる腹式呼吸の方法をご紹介します。

<腹式呼吸法>
@ 仰向けに寝る。(はじめは仰向けのほうが簡単です。慣れてきたら坐ってやってみましょう)
A ゆっくりと口から息を吐く。体の中の空気をすべてはききるようにゆっくり吐く。
B 鼻から息を吸う。このとき、おなかを膨らませるのがポイント。自分のおなかを風船にみたてて風船に空気を送り込むようなイメージで!おなかに手を当てて膨らみを確認しながら、手を持ち上げるように。

 「呼吸」とは文字の通り、吐いて吸います。くれぐれも吸って吐くのではなく、この順番を心がけます。また、吸う動作は交感神経、吐く動作は副交感神経の働きをそれぞれ促通するので、吸うよりも吐く方に時間をかけてましょう(2倍以上になるように)。慣れてきたならばさらにゆっくり行いましょう。時間は15分くらいが基本らしいのですが、まずは病院の待ち時間や音楽を聴きながらやお休み前のひと時などから手軽に始めてみてはいかがでしょうか。

[TEXT :坂本 麻由子理学療法士}]

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