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168回:火事場の馬鹿力

 皆さんこんにちは。二回目の登場となりました黒田です。
  今回は火事場の馬鹿力についてお話したいと思います。皆さんはとっさの緊急時やスポーツなどさまざまな場面において、普段は絶対に出ないような力が出たなんてことありませんか?そのことを火事場の馬鹿力といいますよね。どうしてそのようなことが起こるのかお話していきたいと思います。
 人体の筋肉は筋線維からできており、力の出したいときや抜きたいときに脳の指令が運動神経を通り筋線維の収縮、弛緩を行います。普段の生活において、この筋線維を100%活動させることはできないのです。力を出せたとしてもせいぜい50〜60%といわれています。これは100%の力を出してしまうと筋断裂を起こしてしまうため、無意識のうちにリミッターをかけているのです。これを心理的限界と言います。また筋の随意的な収縮または外力による強制的伸張に対して力が抜けるシステムがあり、これをIb抑制と言います。このIbとは知覚神経で筋の腱(ゴルジ腱器管)にあり、抑制する働きによって筋の張力を一定に保っているのです。それが緊急時などにはその抑制が外れるのです。本能的に興奮してくると大脳辺縁系が興奮し、前頭前野にある神経細胞の末端にドーパミンという物質が分泌され、このドーパミンは理性的情報を遮断し、本能の情報を強く、そして速く送るようになるといわれています。この状態が火事場の馬鹿力となるのです。

 これで火事場の馬鹿力のしくみはわかりましたか?実は普段の生活において普段以上の力を発揮することが可能なのです!?その方法は・・・
@ 随意的に行う(見せかけの限界)
A 催眠:君(私)は力が出る
B カフェイン
C シャウト
D 応援:仲間や好きな人に応援される
 その他に日常的ではないのですが電気刺激があります。これによって全体的に皮質が興奮し、とんでもない力が出るのです。

 現在、この体のメカニズムを利用し潜在能力を最大に引き出そうとしているのがスポーツ選手なのです。その方法は叫んだり、自己暗示などさまざまで、高いパフォーマンスを得るためには欠かせないのかもしれません。しかし、力を出しすぎることで肉離れや筋断裂を起こしやすいのです。
 最後にスポーツ選手でも体を破壊しかねないこの力を100%活動させ、なおかつ筋断裂などを起こさずにいられる人がいるのです。それは北斗の拳でお馴染み、ケンシロウなのです(漫画ですけどね)。ケンシロウの北斗神拳こそ体を破壊せずに100%の力を発揮させることが可能な奥義といえるのではないでしょうか。

[TEXT :黒田 崇理学療法士}]

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