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第171回:パーソナルスペースについて
動物には縄張りがあります。
では人にはどうでしょうか?確かに人にも縄張りがあります。地理学的・領域的な空間とは別のもので、人の身体を直接に取り巻く、目で見ることのできないその空間領域を「パーソナルスペース」と呼びます。他人があまりにも近くにくると、何か不快な気持ちになったり、警戒したり、心が落ち着かなくなったりといった経験はないでしょうか?パーソナルスペースは侵害される、つまりその空間に他人が侵入すると不快な気持ちになります。逆に保証されている場合は快適に感じます。ですから、このパーソナルスペースは対人関係の基本のひとつとなっています。よい関係を築くためのマナーと言えるかもしれません。
パーソナルスペースの侵害は、心理的な不快感だけでなく、生理的な影響も与えます。アドレナリンの分泌量が多くなったり、ひどい場合には高血圧、心疾患、心身症といった病気になることもあるようです。
ところで、パーソナルスペースはどのくらいの範囲なのでしょうか。その人や相手との新密度、また場合によってさまざまですが、通常は腕を伸ばした位の距離がその範囲と考えられています。
自分の所有物にまで広がることもあります。自分が着ている服や持ち物に勝手に触られると嫌な気持ちになることがありますね。
同じ相手でもお互いの位置関係でパーソナルスペースは変化する場合があります。たとえば、初対面の人と話す場合、正面・すぐ隣・直角の位置関係の中では、直角が一番相手がリラックスしやすいといわれています。正面では威圧的に感じる、すぐ隣では逆に近すぎて気持ち悪いと感じることがあるようです。
以上のように、相手といい関係をつくるには相手のパーソナルスペースを保証することが必要となります。リハビリでは職業柄、患者さまご自身や生活空間に密接に関わり、自分ではそのことに慣れてしまっていることが多いのですが、基本的な関係を築いていくためにも「無神経」とならないよう気をつけていきたいと思います。
[TEXT :鈴木 恵子{作業療法士}]
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