第161回:コミュニケーション障害とのつきあい方~認知症の方に対して
( 2006年12月12日 掲載 )
寒い日が続いておりますが、皆さん元気にお過ごしでしょうか。
私は言語聴覚士として院内で働く中、コミュニケーションに支障のある方々と接する機会があります。今回はそんなコミュニケーション障害で認知症その中で もとりわけ多いとされる、アルツハイマー病におけるコミュニケーションに支障のある方との接し方について簡単にではありますが、お話したいと思います。
まず、認知症とは「脳の病変によって日常的な記憶の障害等を含む複数の認知機能(物事を思い出したりする力や物事を判断する力など私たちが日常行動する 上で脳を使い、判断している様々なこと)が後天的に低下し、日常生活に支障をきたすようになった状態」のことをいいます。中でも、アルツハイマー病は病気 の進行とともに言葉を話す能力が低下すると言われています。
アルツハイマー病における、話をする際にみられる具体的な症状として
①『相手の話を聴いて話の内容を理解する能力』の低下
②固有名詞などを思い出しにくくなる
③文法の誤り
④話をする回数や量の減少
などが挙げられます。
それでは、上記のような症状を呈した方に対してコミュニケーションをとる上での留意点について触れていきたいと思います。
ⅰ)『優しいまなざし』と『にこやかな笑顔』で認知症の方と接する
ⅱ)注意を促した上で近くでのやりとりを行なう
ⅲ)話しかける時には短い文でわかりやすい表現を使う
ⅳ)具体的な内容を話題にする
ⅴ)1度にたくさんのことを話しかけない。
ⅵ)誤ったりあいまいな言葉や内容があっても否定や説得をしない
ⅶ)具体的なことへの質問はできる限り避ける
コミュニケーションというものは、単に「言葉と言葉での情報伝達手段」ではありません。特にアルツハイマー病の方は言葉を話す能力が低下するため、周囲 人々の雰囲気や態度を敏感に感じ取っていると言われています。そのため、言葉の内容のみではなく発信者のすべての情報が伝わっていることを知った上でコ ミュニケーションをとっていただけたらと思っています。
[TEXT :石原 優子(言語聴覚士)]
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