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リレーコラム by リハビリテーションスタッフ リハビリテーション部
第201回:運動療法のルーツとこれから
( 2007年09月25日 掲載 )
●運動療法のルーツ
 運動療法のルーツは非常に古く、しかもそれは中国から始まっているようです。紀元前の2600年代に、中国で功夫という深呼吸を中心にした体操のようなものが行われていました。気功もこの範疇に入るそうです。これらを実行すると体の諸器官の働きが活発になり、病気を予防したり治す効果があり長寿をもたらすと考えられていたようです。太極拳が現れたのはずっと後の5世紀頃です。気功とは異なり拳法という武術のひとつですが、身体鍛練と精神修養を目的としていて、それがまた心臓病、高血圧症などの予防や治療にも効果があると語り継がれています。恥ずかしながら私も、気功と太極拳はほんのさわりだけですが体験したことがあります。これらは動きは緩やかですが呼吸と重心の移動を意識した全身運動であり、指先をしなやかに動かすなど、運動歴のあまりない方や過体重の方、そして高齢の方にも始めやすくかつ効果的な運動ではないかと思います。そういえば今流行りのハワイアンダンスもこれに通じるものがありますね(これもさわりだけ体験済み)。

●アメリカ大統領と運動療法
 運動療法の研究が急速に進歩したのは、アメリカ大統領のアイゼンハワー(在任期間1953~1960年)が心筋梗塞で倒れたことがきっかけとなっています。このことは、特にリハビリテーションのための運動療法の研究をすすめるのに役立ちました。ついで大統領になったJ・F・ケネディは、アメリカ人に心筋梗塞や狭心症が多いことを憂慮して、その予防対策に力を入れたために心臓病予防のための運動療法の研究が進んだという経緯があります。

●生活習慣病予防と運動療法
 ところで、前述したアイゼンハワー元大統領の主治医をしていたハーバード大学のポール・ホワイト教授は「80歳までに心臓病で死ぬのは神の意思ではない」と言っていたそうです。この言葉は今でいう生活習慣病の考え方を示しているといえるのではないでしょうか。わが国では旧厚生省が平成8年12月に、これまで使われてきた「成人病」のかわりに「生活習慣病」という考え方を導入しました。変更当初はとまどう人も多かったと思われますが、10年を経過した現在ではその意味も含め理解され、すっかり定着してきたように思われます。
 国民医療費が国家予算を大きく圧迫している今、健康づくりとこの生活習慣病の予防を推進して医療費を抑制することが国家的な急務となっています。紀元前のはるか昔から運動が病気の予防に効果があると考えられていたように、最近の運動療法はこの疾病予防の分野において急速に展開され始めています。特に運動療法の専門家として国家(厚生労働省)から免許を受けているわれわれ理学療法士は、これらの現状に対して使命感を持って取り組み、社会に貢献していかなければならないと感じています。

[TEXT :宮井 庸介{理学療法士}]



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