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リレーコラム by リハビリテーションスタッフ リハビリテーション部
第211回:スプーン・・・
( 2007年12月04日 掲載 )
 食事は、栄養のあるものを自分のペースで自分の手で楽しく食べることが大切だと思われます。その中で、自分で食べるというところにスプーンなどの食事道具の重要性が挙げられます。

 病院では腕や手に障害を持ち、箸を上手に使えない場合に、スプーンであれば自分で食べ物を口にすることができる方が多くいらっしゃいます。普段使っているスプーンでは介助を必要とする方でも、スプーンの形態を変えれば自分で食べることができます。また、普通のスプーンで食べられている人でもそのスプーンで食べづらさを感じていればおいしく食事を楽しむことができないのではないかと考えられます。食事の際に介助をする必要がありますが、その際にもスプーンの形態は安全な食事摂取のための大切な要素と考えられます。

 そこで今回私は大学の卒業研究で現在ある自助スプーン※)について形、重さ、性質等を研究し、患者さまの食事を考え、スプーンを選択する際の手がかりとしてまとめたことを少しですが紹介しようと思います。

 現在、市販されている自助スプーンは、軽量であるもの、持ちやすいように柄が太めであるもの、首が曲げられているもの、または使用者に合わせて曲げられるもの等が多くあります。また介助用スプーンでは、シリコンゴムなど柔らかい素材を使用し口腔内を傷つけないもの、さじ部の幅が小さく、深さも浅い傾向にあります。具体的に肘や手首を動かしにくい場合、握力が低下している場合には太い柄でスプーンの首が曲げられるものが食べやすいとされています。
 人によって一口の量はそれぞれ違いますが、1回の量が多ければ誤嚥やむせの原因になったり、逆に少なければ食べ物が口の中にあると認知されにくくかえって飲み込みにくいとされており、一口の量を適切にかつ一定に保つ重要性も挙げられています。介助する際には一定量が口に入れることができるさじ部の浅いスプーン、また飲み込みやすいように舌や喉の奥に食物を入れる場合には特に浅いものや柔らかい素材のものを用い、口腔内に挿入しやすく、食べ残しなくスプーンを抜くことができると考えられています。
ほんの一部ですが何かのお役に立てたらと思います。今後もさまざまな形態のスプーンが発売されていきますが、常に新しい情報を収集し、患者さまの食事を考えていく際の手がかりにしていきます。

[TEXT :鈴木 光{作業療法士}]  

※自助スプーン
福祉用具のひとつ。店で買うことはできず病院や施設で入手できる福祉用具カタログで購入可能。 
【参考文献】
冨田かをり、田村文誉、水上美樹、向井美恵:高齢者用介助スプーンのボール部形態の検討.日本摂食嚥下リハビリテーション学会誌,pp133-137, 2002.



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