第213回:癒しぬいぐるみロボット:パロ
( 2007年12月18日 掲載 )
はじめまして、こんにちは。今回のコラム担当の畑下と申します。
今日は癒しぬいぐるみロボットの「パロ」について少々お話したいなと思います。
「アニマルセラピー」という言葉は既にご存知かと思います。では「メンタルコミットロボット」という言葉に聞き覚えはありますか?私はつくばに来て初めて知りました。共通点がない言葉同士に聞こえますが、実は人に与える効果は動物同様という、ぬいぐるみ型(アザラシ)の人工知能を備えたロボットなのです。
パロのホームページをのぞくと、メンタルコミットロボットとは『人と共存するロボットで、可愛い、心地よいなど人からの主観的な評価を重視し、人との相互(名古屋弁作用によって、人に楽しみや安らぎなどの精神的な働きかけを行うことを目的にしたロボット』」1)とあります。
いい年をした大人にぬいぐるみなんて...と思うかもしれません。しかし現実にアニマルセラピーを取り入れるためにはさまざまな問題点があります。アレルギー、人畜感染症、食事や排泄、噛みつきや引っ掻き、騒音などの理由で、本物の動物を病院や福祉施設に導入することが困難だったり、一人暮らしで世話が困難であったり、アパート・マンションでペットの飼育が禁止されていたりする場合が多くあります。一方、ぬいぐるみロボットはそういった問題には制限されず、常にそばにいることができます。
パロは白いアザラシの形をしており、抱きかかえてちょうどよい大きさのぬいぐるみです。しかしそのぬいぐるみ内部には視覚、聴覚、触覚、運動感覚などがあり、触れ合う人や周囲の状況を感じることができます。光の変化、名前の学習、挨拶や褒められる言葉などの理解をしたり、撫でられたり、叩かれたり、抱っこされたりすることを感じます。このような人との触れあいから、パロにも心や感情があるかのように内部の状態が変化し、反応の仕方が変わったり、何種類もの鳴き声を出したり、飼い主の好みの行動を学習したりします。
パロは全て注文されてから手作りされ、性格も注文者の要望に合うよう変更して届けられるそうです。日中1人で孤独な思いをしている方や、施設入所で家族になかなか会えない方、その他、動物は死んでしまうから嫌だ...という方々のために1体、常にそばにいて反応してくれる話し相手がいるとよいかもしれません。つくばの地質標本館の隣にあるサイエンス・スクエアつくばで実際のパロに会うことができます。なでたり抱いたりすると、鳴いて動いて喜んだり嫌がったりするふわふわの白いアザラシは、しばらく付き合っていると愛着がわいてきます。
工業・産業用のロボット開発が多いですが、こういったメンタルケアをしてくれるロボットは面白いなぁと思い、今回取り上げさせて頂きました。病は気からと言います。癒される方法がもっとたくさんあって、ゆとりのある生活が送れると病も少なくなるのではないかなと、パロの可愛い姿をネットで見ながら思いました。 ちなみにパロは充電式ですが、おしゃぶりが充電器になっていて、おしゃぶりをくわえて目を閉じて充電した状態になるのです。これがまたすごくかわいいんですよ。
[TEXT :畑下 佳名子{理学療法士}]
【引用文献】
1)「PARO」人のこころを豊かにするメンタルコミットロボット http://paro.jp
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