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リレーコラム by リハビリテーションスタッフ リハビリテーション部
第214回:温泉って、どう身体によいのでしょう?
( 2007年12月25日 掲載 )

 日本人は昔から入浴習慣があり温泉は馴染み深いものの一つであり、私も温泉が大好きです。でも、どう身体によいのか?となると、漠然と温泉は健康によいとだけ思っている方も多いのではないでしょうか。

 みなさんは「温泉療法」という言葉を聞いたことがありますでしょうか。『温泉療法は、一定期間温泉地に滞在して、さまざまな鉱泉に入浴し、理学療法や運動療法を行う一方で、その温泉地の風景や食事を楽しむリラクゼーションの要素も含んでいます。』1)
 
 今回はリハビリテーションの立場から温泉の効果についてのお話をさせて頂きます。
 リハビリの立場からみた温泉の医学的効果ですが、大きく3つに分けることができます。
①物理的な効果
※浮力と水圧
『水の中で体を動かすということは、水の浮力により運動が容易になります。また水圧によって、筋肉の張力や関節の可動域、痛みの強さに好ましい影響を及ぼします。』1)
※心臓を助ける
水の中では、水圧によって下半身の血液が、胸部や心臓に押しもどされます。すると心臓は身体に血液(水分)が多いと勘違いして、腎臓に尿(水分)を出すように指示するので、その分心臓の負担は軽くなります。体がスッキリするのはこのためだそうで、心不全の治療に応用されているようです。

②温熱による効果
 『体が温まるということは、筋肉・腱・関節包(関節についている袋)などの柔軟性を促し、病変関節の可動域を改善し、また、血管の拡張、リンパ循環の促進から、代謝亢進、筋緊張低下をもたらし、鎮痛鎮痙作用を発揮するとされています。』1)

③化学的な効果
※血管を拡張させる(血圧を下げ、心臓の負担を減らします)
『溶存物質による化学的作用こそ温泉の本質』2)であり、温泉にはいろいろな成分があって泉質ごとに異なった作用があります。ほとんどの物質は皮膚を貫通しませんが、『温泉のなかの一部の物質(炭酸ガス、硫化水素ガスなど)は皮膚を通して吸収され、血管を拡げます。』2)その結果血液の循環がよくなり、心臓の負担が軽減して血圧も低下します。この作用を持つ代表的な温泉は炭酸泉、硫化水素泉と芒硝泉(硫酸ナトリウム)だそうです。高血圧や慢性心不全の方に効果的な場合があるようです。

 温泉には以上のような効果があるとされていますが、注意事項もありますので、疾患をお持ちの方は温泉に行く前に必ずかかりつけ医に相談をするようにして下さい。また、温泉には副作用もあるので注意して頂きたいです。それは湯あたり、のぼせなどですが、これは温泉療法を一時中止することで消失します。あと脱水にも注意して、お湯につかる前後には十分な水分補給もして下さい。今後温泉に行かれる時は、これらの効用・副作用を意識して、より一層温泉を楽しんで頂きたいです。

[TEXT :秋山 大{理学療法士}]

【引用文献】
1)梶山浩、赤真秀人:治療The journal of therapy Vol.85.No3 南山堂 
2)久保田一雄:補完・代替医療「温泉療法」2006 金芳堂



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