![]() |
第221回:日本人のルーツ
( 2008年02月19日 掲載 )
みなさんは、日本人のルーツについて考えたことがありますか?私は以前、NHKで放映された「日本人のルーツを探れ」という番組を視聴して、少なからず驚いたことがあります。それは予想に反し、日本人は必ずしも単一民族ではない、という印象を受けたからです。
私が小・中学生の頃は、日本には古来縄文人がいて、やがて弥生人が大陸から渡来してきたことを教わった気がします。ですから、2つの流れが合流して今の日本人が形づくられたと、当時は単純に想像したものです。ところが最近の遺伝子レベルでの研究によると、日本人の起源はいくつもあることがわかってきたそうです。ちょっと調べただけでも、バイカル湖畔、中国、東シベリア、朝鮮半島、北ベトナムやラオス、ヒマラヤの山岳地帯などといった場所が浮かび上がってきます。現在の日本人は、これらの地域に住む人々とDNAがかなり類似しているとのことです。バイカル湖やヒマラヤなどと聞くと、さすがに驚きますよね。それらが混血することで、だんだんと今の日本人ができてきたというわけです。 ところで、こういったことを文化的な側面から想像してみることも面白く、また意義あることだと言えるのではないでしょうか。作家の宮城谷昌光氏が、そのエッセイの中で興味深い話を紹介されています。 今から1700年前の中国人によって書かれた『魏志倭人伝』の中には、古代日本人と思われる人たちの特徴について記された部分があるそうです。それによると、古代日本人は赤い色を好み、男たちはみな身体に赤土を塗っていたというのです。中国はさまざまな王朝を交代させながら歴史を積み重ねてきた国ですが、その中でも3600年ほど前に「商」という王朝を立てた民族は、なんと同じ風習を持っていたらしいのです。また、商王朝の宮殿の柱は赤色で、その伝統は日本の寺社建築におよんでいる、とも推察されています。さらに、古代の日本人は酒好きで、骨を焼いて吉凶を占う文化を持っていたらしく、これも商民族とまったく同じだということです。商民族と古代日本人の間には、驚くほど似かよっている部分があるようです。 ひょっとすると商民族の末裔が、その昔日本に渡来し、古代日本人の一原型を形づくったのかもしれませんね。いずれにせよ、日本人の源流は単純なものではなく、いろいろな土地のいろいろな人々の、おそらくは紆余曲折に満ちた歴史と記憶の積み重ねにより、形づくられてきたものだと言うことができるのではないでしょうか。 [TEXT :上村 健一朗{理学療法士}] ■前のコラム:第220回:きりたんぽの基礎知識とおいしい作り方 ■次のコラム:第222回:赤味噌について 他にもたくさんのコラムがあります。 |