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◎ 花粉症による辛い結膜炎の対策法

1.季節性アレルギー性結膜炎の治療と予防法

 花粉症をもつ患者さんにとっては、スギ花粉が飛散する春先は憂鬱な季節です。
スギ花粉症では、目の症状(かゆみ、なみだ目、充血など)、鼻の症状(鼻みず、鼻づまりなど)、耳の症状(かゆみ、耳がつまったかんじなど)に加えて、頭痛、発熱、のどの痛み、皮膚のかゆみ、胃腸の症状などカゼと勘違いしてしまいそうな多彩な症状がみられますが、今回はなかでも花粉症による結膜炎について述べさせていただきます。

 アレルギー性結膜炎には、季節性アレルギー性結膜炎(いわゆる花粉症)と通年性アレルギー性結膜炎とがありますが、臨床像について差はみられません。

 暴露される期間に季節性のある抗原(アレルゲン)に対する過敏反応が結膜で生じた場合に、季節性アレルギー性結膜炎と定義します。その発症には花粉の飛散量、抗原性など抗原側の要因だけでなく、遺伝的素質など個人の要因も複雑に関与するといわれています。

 本症患者はスギ、ヒノキ、ダニなどに対する特異的IgE抗体を有していて、結膜組織に存在するマスト細胞から、ヒスタミンなどのケミカルメディエーターを放出して起こる(I)型アレルギーの即時相反応が発症機序として重要であると考えられています。花粉などの抗原が結膜に接触してから5〜15分の間に大量のヒスタミンが放出されて、結膜内にある神経や血管のヒスタミンH1受容体に作用して、目のかゆみ、流涙、充血、結膜浮腫、神経過敏による異物感などのアレルギー性結膜炎の諸症状が引き起こされます。

 ゼリー状のめやにをみることもあり、場合によっては角膜に傷ができることもあります。また、数時間後に発現する好酸球など炎症細胞の結膜間質への浸潤((I型アレルギーの遅発相反応)が数日間持続すると、組織障害を伴うアレルギー性炎症にいたることもあります。

 季節性アレルギー性結膜炎の原因抗原は種々の花粉ですが、関東地方では、2〜5月にはスギ科、5〜7月はカモガヤ科、7〜9月はブタクサ科、10〜12月はヒノキ科と、花粉の飛散には実際には切れ目がありません。起因抗原として圧倒的に多いのはスギ花粉ですが、ヒノキがスギと共通抗原を有するために、ヒノキ花粉症発症率も年を追うごとに増加していると考えられています。大気汚染、気密性の高い住居といった環境変化も、花粉症の増加の要因と考えられています。また、ハンノキをはじめ、カモガヤ、ブタクサなど種々の花粉による重複感作も増加しており、花粉症の罹病期間は必ずしも短期の季節性とはいえなくなってきています。

 また、最近では、発症の低年齢化も特徴であり、園児、児童の発症がみられ、高齢者を除けば自然治癒が非常に少ないことから、小児期から花粉症と一生をともにすることが危惧されます。

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[TEXT by 古谷 愛理, 筑波記念病院 眼科主任]