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肝臓とのじょうずなおつきあい
肝臓の機能

 肝臓に運ばれた栄養素がどのように処理されるのか、肝臓の機能を細かく見てみましょう。 まず、肝臓は、腸管から消化吸収された糖質、脂質、蛋白質などを代謝して、体に必要な形に合成し貯蔵します。そして、この代謝の過程で生じた老廃物を解毒します。また、腸内細菌により産生される毒素や、体に入って役目を終えた薬物などを解毒する働きも持っています。また代謝産物の一部は、消化液である胆汁の中に分泌されて消化管に排泄されます。更に、肝臓は、体のどこかで出血した時に血液を凝固させて止血するのに重要な物質を作ったり、体が感染症などに見舞われた時に反応する蛋白を産生して血液の中に供給する大切な働きを持っています。
 このような複雑な機能を営む肝臓はどのような構造をしているのでしょうか。

肝臓の内部構造

 一言でいうと、肝臓外と連絡を持つ脈管、すなわち、血液を運ぶ血管と胆汁を運ぶ胆管が肝臓の中で複雑に入り組んでおり、その周囲に肝臓の機能を果たす膨大な細胞群が存在しているといえます。 肝臓という大工場に腸管から吸収した原料を供給する門脈血が流れ込み、また、大工場を構成する細胞たちがいつも元気に活躍できるように、たくさんの酸素を含んだ動脈血を供給する肝動脈と呼ばれる動脈も流れ込みます。門脈の血液量は、肝動脈よりも圧倒的に多く、肝臓への全血液量の70〜80%を占めています。そして、門脈と肝動脈から供給され肝臓で処理された血液は肝静脈という静脈に集められ、全身に戻されます。 また、肝臓で作られた胆汁を集める胆管は十二指腸まで連絡しており、この途中に貯蔵庫としての胆嚢があります。そして、門脈、肝動脈、胆管の3つの脈管は肝臓の中では大変仲が良く、一つの鞘に包まれて肝臓の中を走行しており、この間を肝静脈が割り込むように走っています。

肝臓の微細構造

 肝臓内部の構造を、更に顕微鏡レベルで見てみましょう。
 肝臓は全体として、例えれば“たっぷりと血液を含んだスポンジのような構造”をしています。肝臓に流れ込んだ門脈と肝動脈の血流は合流して、類洞という編み目状になった細かい迷路のような血管を流れ、中心静脈という肝静脈につながる血管に注ぎ込みます。この類洞での血流は大変遅く、肝臓に運び込まれた原料と酸素はゆっくりと類洞を囲む肝臓細胞に取り入れられ物質交換が行われます。 一方、肝臓細胞で合成された胆汁は胆管細胞が作る胆管の中を、隣り合わせの門脈、肝動脈の流れとは逆方向に肝臓の外へ流れています。 このように、肝臓内の各々の脈管の流れが円滑に保たれ、肝臓の細胞達が伸び伸びと働くことができてはじめて、複雑な機能を営むことができるのです。

[TEXT by 坂本俊樹, 筑波記念病院 外科