◎緑内障
緑内障とは
視神経が障害されて見える範囲(視野)が狭くなる病気で、眼圧(眼の中の圧力、眼の硬さ)を下げることによって進行を遅らせることができる可能性がある病気です。
われわれは普段両目で、また視線を動かして物を見るために、自分では視野が狭くなっていることに気づかないことが多いのです。わが国の40歳以上で緑内障の方は20人に1人(5%)で、そのうち9割の方が緑内障と気づかず、治療を受けていないのが現状です。また、年齢とともに緑内障の方の割合は高くなります
。
分類
原因によって、(1)原発緑内障:房水の流出が悪いもの、(2)続発緑内障:眼や体の病気により2次的に緑内障になったもの、(3)発達緑内障:生まれつきの眼の発達異常に分かれます。
房水とは眼の中を流れている液体で、茶目の付け根の毛様体で産生され、水晶体や角膜に栄養を与え、有害物質を取り除き、眼内圧を保つ役割を果たしています。(1)の原発緑内障は房水の流れにくい場所によって、a)原発開放隅角緑内障、b)原発閉塞隅角緑内障に分かれます。a)の原発開放隅角緑内障のうち、眼圧が正常範囲(10〜21mmHg)のものを正常眼圧緑内障といい、実はわが国では緑内障の7割の方がこのタイプで最も多いのです。
検査
健康診断で指摘される項目としては眼圧の上昇(眼圧検査で分かります)、視神経乳頭陥凹拡大(眼底検査、眼底カメラ撮影で分かります)があります。緑内障の検査として、視力検査などの眼科一般検査に加え、眼圧検査、眼底検査、視野検査、隅角検査などがあり、総合的な判断が必要です。いずれも痛くない検査です。
治療
眼圧が高いと視神経が圧迫されて障害されると言われていますので、治療の目標は眼圧を下げて進行を遅らせること、また、生涯にわたって見え方で困らないように視機能を保つことです。正常眼圧緑内障でも、全例に当てはまるわけではありませんが、眼圧を下げることによって進行の危険を減らすことができると言われています。
治療には目薬、レーザー治療、手術があります。いずれも眼圧を下げるための治療や房水の流れを良くする治療で、障害された神経を治すことはできません。
最近、緑内障の進行に眼の血流や視神経の脆さなど多くの要因が関係していると考えられており、今後、新たな治療法が出てくるかもしれません。
日常生活で注意すること
種々の要因で眼圧は変動しますが、日常生活では一般的にあまり神経質になる必要はありません。
多量の水分を一気に飲むこと、重量挙げ、逆立ちなどは眼圧が上がりよくないと言われています。
風邪薬、向精神薬、内視鏡検査時に使う薬など、緑内障や閉塞隅角緑内障に使えない薬があります。お薬の飲みあわせで心配があれば眼科医にお尋ね下さい。一人一人の目の状況によって異なります。
最後に
残念ながらすでに障害された視神経を元に戻すことはできません。従って眼科受診による早期発見、早期治療が極めて重要です。
検査希望の方はいつでも眼科にお気軽にお立ち寄り下さい。
[TEXT by 長井恭子, 筑波記念病院 眼科]
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