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◎もの忘れ予防

 誰しも認知症にはなりたくありません。今回はアルツハイマー病など認知症にならないための方法はあるのでしょうか?というお尋ねにお答えしたいと思います。

 どのような病気であっても、予防の基本は危険因子、つまりどういうことが病気になり易くするかを明らかにすることにあります。アルツハイマー病の危険因子として定まっているものは3段階に分類されます。そのうち、まずどうにも予防介入不可能なものがあります。年をとること、それに遺伝的な要因です。

 次に医療レベルの危険因子があります。具体的には、頭部外傷、心臓血管性疾患・脳血管性疾患(いずれの疾患も大脳の血流を減少させる結果、大脳の代謝を低下させ、慢性的な脳病理過程を進行させます)、また血圧も注目されています。さらに、生活習慣病あるいはメタボリックシンドロームとしての糖尿病や耐糖能異常が注目されています。

 私たちが一番知りたいのは、自分の努力で何とかなるもの、ライフスタイルのうちで認知症予防につながるものとは何かを知ることですね。

1) 食事では、抗酸化物質です。抗酸化物質にはビタミンE,ビタミンC、βカロチンがあります。また魚油に含まれるω-3系の長鎖不飽和脂肪酸が予防効果をもつとされます。また1日あたり250‐500mlのワインを飲用するとよいようです。

2) 運動では、有酸素運動が注目されています。毎日30分程度ウオーキングをすることで大脳の機能が高まったという報告もあります。運動の効果は、直接的には脳血流の増加作用、神経成長因子への刺激も想定されています。

3) 知的・社会・レジャー活動もまた予防的に働くとされます。特に中年期に知的活動が乏しいと危険因子になるようです。

4) 睡眠については、30分以内の昼寝習慣のある人ではリスクが1/5まで減少すると日本人で報告されています。逆に60分以上だと2.6倍に高まるそうです。

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[TEXT by 朝田隆, 筑波記念病院 もの忘れ外来:筑波大学臨床医学系精神医学教授]