ホーム > 読み物・豆知識 > 最近注目の話題
ドクターの知恵袋 | リレーコラム | 健康よもやま話 | 最近注目の話題

◎婦人科がん検診についてのあれこれ

 定期的に子宮がん検診を受けているという方、どのくらいいらっしゃるでしょう? 欧米では検診対象者の80%以上が検診を受けているのに対し、残念ながら日本では未だに20%前後の受診率に留まっています。
  今回は、検診の有効性がはっきりしている子宮頸がん検診の話題を中心に、併せて子宮体がん・卵巣がんの検診の実際や腫瘍マーカーについてのお話をさせていただきました。


1) 子宮頸がん検診について
 子宮の入口を綿棒や細いブラシでこすって剥がれ落ちた細胞を顕微鏡で調べる「細胞診」という検査を行っています。痛みや出血も少なく、1〜2分で終わる簡単な検査です。
検診受診者数のピークは50〜60代にありますが、検診で異常が発見される割合はむしろ10〜30代の方が高いとされます。また若年者ほど、異常があっても早期のものであることが多く、将来の妊娠出産にも影響しない簡単な治療できちんと治すことができます。性交経験のある方は10代からでも検診が必要です。
 特殊なタイプのがんでない限りは、通常1年に1回の検診で早期発見が可能とされていますが、2年に1回の検査では進行がんで発見されるケースが散見されます。「要精密検査=がん」とは限らず、実際は「将来がんになる可能性がある要注意グループ」という方が大部分です。経過観察でよい方と、治療が必要な方がいますが、それは精密検査の結果で判断します。

2) 子宮体がん検診について
 子宮頸がん検診と同様に「細胞診」を行っています。検査に痛みや出血を伴ったり、細胞が十分採取できず検査ができない場合が時々あります。子宮頸がん検診に比べると、1回の検
査では異常が出ないケースがあったり、「1年に1回の検査で大丈夫」といった目安はありません。通常は不正出血などの症状がある場合、その都度に行うことが多い検査です。子宮体がんの多くは不正出血がきっかけで発見されますが、子宮頸がんと違い、症状があっても早期であることがしばしばあります。

3) 卵巣がん検診について
 子宮がんと違って、直接細胞を取って検査するということはできません。またどれくらいおきに受ければ大丈夫という目安はありません。内診だけではわからない場合もあるため、超音波検査が有用です。

4) 腫瘍マーカーについて
 がん細胞が作る特殊な物質を血液検査で調べる検査です。婦人科で測定するマーカーについては、がんであっても正常値であったり、良性疾患でも異常値を示す場合があるため、細胞
診や画像診断など他の検査と組み合わせて判断する必要があります。特に子宮がんに関しては、細胞診の代わりになる検査ではありません。

戻る |1/1|

[TEXT by 佐藤有希, 筑波記念病院 婦人科 主任科長]