◎高血圧の話
高血圧とは読んで字のごとし血圧が高いことです。では、どうして血圧が高くなるのでしょうか?一番の原因は食事からの塩分の摂り過ぎです。塩分をたくさん摂るとヒトの体は多すぎる塩分を尿から体外に出そうとして血圧を上げるのです。
では、血圧が高いと何が悪いのでしょう?実は、血圧が高くなっても、ほとんど自覚症状はありません。ということは、放っておいても問題ないように思われますが、ところが、これが大問題なのです。それをこれから、お話します。
血圧が高い状態が長く続くと血管に動脈硬化と呼ばれる 変化が起きて、血管がつまったり、破れたりします。それが、脳の血管に起きると脳梗塞や脳出血になり、心臓の血管に起こると狭心症や心筋梗塞になります。腎臓の血管に起こると腎不全となり、足の血管に起こると足の壊死が起こります。このように高血圧はたくさんの怖い病気の原因になるのです。そのくせ、症状はないのだから、始末におえません。症状がないのだから、自分が高血圧かどうかを知るには血圧を測ってみるしかありません。どこかで血圧計を見つけたら試しに血圧を測ってみてください。いつ測っても上の血圧が140、下の血圧が90を超えていたら、すぐ医師に相談したほうがよいでしょう。
血圧が高くなったら、まずは食事の塩分を控えてください。目標は食塩にして1日6g以下です。現在の日本人が1日に食べる食塩の平均量は11gなので、6gというと半分以下、たいへん薄味になります。味がないと食べ物がおいしくないので、酢の物にしたり、柑橘類で味をつけたりなどの工夫が必要です。
次に、軽い運動をしてください。目標は1日30分の散歩です。自転車や水泳などでもいいですが、あまり激しく動くのは逆効果で、かえって血圧が高くなりかねません。また、筋肉トレーニングなどの重いものを持ち上げるような運動は血圧がさらに高くなるのでしない方がよいでしょう。
タバコを吸っている方は絶対にやめてください。お酒は日本酒1合またはビール中ビン1本くらいならば血圧を上げませんが、それ以上飲むと高くなります。いままでお話ししたことは、まだ、血圧が高くない人が行うと、将来、高血圧になるのを防ぐ効果がありますので、家族の誰かが高血圧という方はぜひ、行ってください。
残念ながら、塩分制限、運動、禁煙、節酒を一所懸命行ったのに血圧が下がらないときは、薬を飲みます。血圧の薬は何百種類もあるので、その中から体質と症状にあう薬を医師に選んで貰ってください。その時に、いつも飲んでいる他の薬を医師に見てもらうのを忘れないでください。薬を飲む際に大切なのは、勝手に飲む量を変えたり、やめたりしないことです。処方された薬を飲んで異常を感じたとときはすぐに医師に相談してください。
高血圧は放っておくと恐ろしい病気ですが、正しく治療すれば、必ずよくなる病気です。普段から自分の血圧に注意して、もし高血圧になってしまったら、医師の注意をよく聞いて正しい治療を受け、元気な老後を過ごしましょう
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[TEXT by 榎本強志, 筑波記念病院 副院長・循環器内科部長]
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