小さい子ども達は、頭が痛いということをきちんと表現ができないので、ポンポンが痛いというのと同じような感じで頭が痛いといっている場合があります。大きな子どもでは、風邪などの症状として頭が痛いということもあります。 急に起こった頭痛では、熱がないかどうか、嘔吐がないかどうかなどを確かめて、痛みが激しい時には、病院を受診してください。髄膜炎や脳炎などの重大な病気や頭の中に出血をしているなどということもあるかもしれないからです。 繰り返しおこる頭痛では、脳波に異常があったり、稀ではありますが、脳腫瘍などの病気が見つかることもありますので、安易に頭痛薬などを使用せずに、やはり、専門医の診察を受けておかれることをお勧めします。
(最終更新日:2004年11月15日 19:42)■子供特有の病気で気をつけたいものは?
子ども達は、大人のミニチュア版ではありません。大人とちがって、猛烈な勢いで成長・発達している途中にあります。なにしろ、生まれて最初の3ヶ月には、たいていの赤ちゃんは、体重がいっきょに倍になる勢いで大きくなります。我々50キログラムくらいの体重の人が、3ヶ月で100キログラムになってしまうのです。そのような劇的な変化をしていますので、体ができあがって変化が少ない大人とは違う反応をおこすことがあります。したがって、子どもの病気を考えるにあたって、成長・発達という要素をきちんと理解しておく必要があります。病気に対する抵抗力である、免疫の力も発達途上にありますから、大人であれば、免疫を持っていて、かかることがない病気にもつぎつぎかかって、病気の経験をしていきます。だから、熱が出たりすることは、しょっちゅうです。いろいろな病気にかかっては、その病気に対する免疫を獲得していき、病気にかからない体を作りあげていくのです。
そういった意味で、子ども達が熱を出すことはそう珍しいことではありません。熱があっても、比較的元気があって、そこそこに食べ物も食べてくれるなどという時は、たちの悪い病気をいきなり心配することはありません。 ただ、病気の進行が早いことも子ども達の病気の特徴ですので、急に様子が変わってきて変だ、呼吸がとても苦しそうである、けいれんが起こってしまった、頻繁に吐いている、顔色がとても悪いなど、ただならない雰囲気がある時には、すぐに受診してください。
私たち、小児科医がふだん警戒している、小児特有の病気としては、細菌性髄膜炎、インフルエンザなどのウイルスによる脳炎・脳症、腸重積、重症喘息、異物誤飲、重症脱水、などがあげられます。いずれも、成人においても起こりうる病気ではありますが、小児期のものは、重くなって、命にかかわったり、悲惨な後遺症を残したりする可能性が成人よりも強く、要注意です。
■風邪の時に病院にかかるタイミング、どの病院にかかれば良いのか? 風邪が流行している時期はかえって病院に行くとうつるような気がする。熱が出ない限り、家で安静にさせるようにしているが?
子供たちの病気の大多数はウイルスによる風邪で、特別な薬を使わなくても、自分の持っている自然の抵抗力(免疫の力)で治っていきます。ウイルスをやっつけることのできる、特効薬みたいな薬は、まだインフルエンザや水疱瘡などの一部の病気に対するものを除くと、あまり良いものがありません。多くの風邪については、薬を使うことですぐに治ってしまうことを期待しない方が良いのです。治る時期がくれば治る。あるいは、治る時期にならなければ治らないというわけです。
それでは、なぜ小児科医などが必要なのでしょうか?
上で述べたように、小児の病気の大半はウイルスによるもので、自然経過で良くなるということは事実ですが、そのように思って油断していると、実は命を脅かしたり、あるいは重大な後遺障害を残してしまうような悪い病気であったりということが時たまあるのです。そのような病気の時に、迅速に手をうって、最善の治療を行うこと、その結果、命が救えたり、重大な後遺症から逃れたりできるようにすることが小児科医の大切な使命です。つまり、放っておいてはいけない、大変な病気と、自然の経過を見ておけば良い、たちの良い病気とを、見分けて、悪い病気の時に手遅れにならないように治療を開始すること。これが小児科医というものが必要な最大の理由なのです。
そのような見分けを間違いなく行うことは、実はかなり大変です。たちの悪くない病気と判断をしていたのに、実は重い病気であったというようなことは、経験を積んだ小児科医でも時々経験することです。ましてや、子育てを初めてしておられる、お父さんお母さんにとっては困難なことが多いと思います。 ですから、病気の様子があって、どのような病気かはっきりしないような時には、一度診察を受けて、その判断をしてもらうのが正解だと思います。
一般に、たちの悪い、放っておくと重大な問題をおこすような病気の場合には、子ども達は、顔色が悪くなったり、痙攀をおこしたり、頻回に嘔吐をしたり、ぐったりして水も飲めないというような状況になっていることが多いのです。ですから、お子さんが病気の際に、全身の状態を良くみて、そのような重症感があるときには、すぐに救急ででも、小児科医が対応できる施設を受診してください。一方で、熱がある割にはけっこう元気で、水分もそこそこに飲めているというような場合には、それほど急いで受診していただく必要はなく、夜間であれば、朝になってから、かかりつけのお医者さんに診ていただくということで、かまわないと思います。
普段のお子さんの様子を良く知っている医師が診れば、これは危険な状態であるとか、様子を見ていれば大丈夫といった判断をすぐに的確に行えると思います。普段の様子がわからないと、経過をみないと正確な判断ができないこともあります。そういった意味で、普段からかかりつけの先生を持っておくことがとても大切なことです。その場合、必ずしもその先生が小児科専門医である必要はないと思います。その先生がこれは専門医に診て貰った方が良いと判断をして迅速に紹介の手続きをしてくださる先生であれば、一番良いことだと思います。
(最終更新日:2004年11月15日 19:25)■熱があるときには小児科?耳鼻科ではだめなのか?耳鼻科ではもし肺炎になったとしたら原因がわからないのか?
耳鼻科の先生がたの専門領域は頭頸部の外科疾患です。脳外科という科もありますが、脳や脊髄などの中枢神経領域の外科的疾患を専門とする科です。したがって、首から上で脳外科や眼科、歯科口腔外科の部分を除いた部分の外科的な疾患を専門としておられるのが耳鼻科の先生です。
たしかに、小児の発熱の大部分はウイルスによる上気道炎で、鼻炎や扁桃炎、咽頭炎など耳鼻科の先生方がおもに扱っておられる場所が病気になっていることが多いので、熱がある時に耳鼻科の先生に診ていただくことは正解です。もしも、耳鼻科の先生に診ていただいて、中耳炎でもないし、喉にも炎症所見が無いよと言われた時には、小児が発熱したときに、次に原因となることが多い膀胱炎・腎盂炎といった尿路感染症など、他の場所に病気がある可能性がありますので、その時点で小児科(大人で言う内科に相当する科です)を受診していただけば良いと思います。
肺炎についても頭頸部からはずれた場所の病気ですし、胸の写真などを見なければならないこともありますので、そういった病気が心配なときには耳鼻科の先生と相談をして、小児科へ紹介をして貰ってください。
(最終更新日:2004年11月15日 19:25)■目や耳がおかしいと思ったら、小児科ではなく専門の医院へ直接行ったほうがよいのでしょうか?
小児科は、小児の内科(小児内科)なのです。ですから、大人でも内科があって、眼科や、耳鼻科があるのと同様に小児でも小児内科の他に小児外科、小児脳神経外科、小児歯科などが分かれている病院があります。しかし、眼科や耳鼻科などでは、小児の眼科とか小児の耳鼻科などが、厳密に分かれていることは少ないようです。そのような場合でも眼科や、耳鼻科の先生がたが、小児の眼科的な病気や耳鼻科的な病気を診てくださいますから、目や耳がおかしいというようなことでしたら、直接、眼科や耳鼻科の先生にみていただくことは正解です。
一方で、子どもをみるのは苦手だとおっしゃる先生もいらっしゃいますから、とりあえず、小児科を受診して、各科の専門医を受診することが必要かどうか判断してもらうのも手です。この方法のほうが、小児を診るのを得意とするそれぞれの科の専門医を紹介して貰えて良いと思います。
(最終更新日:2004年11月15日 19:23)■風邪をひいたときなどの病院へつれていくタイミング(熱を出したら、咳だけでは大丈夫とか)がつかみにくいので知りたい。
病気が悪いものか、経過をみても良い病気なのかを見極めてもらうことが、病院へ行って診察を受ける最大のメリットです。どのような状態であれば、放っておいても良いのかということが簡単にだれでも正確に分かるようになれば、本当に良いと思いますが、実際にはこれは大変に困難です。ですから、お子さんが病気の時には、一度は小児科を受診しておかれることをぜひお勧めします。
ただし、熱が出たら、すぐにでも救急車ででも受診して診て貰うという必要はありません。救急で受診した場合には、必ずしも小児の専門医が診るわけではないことが多く、また、普段の様子のわかる、かかりつけの先生が診るわけでもないことが多いので、せっかく無理をして病院へ行っても得られるメリットはそれほど多くありません。夜であれば、翌朝まで待ってから、かかりつけの先生に診て貰うのが最善だと思います。ただし、意識がおかしいとか、呼吸困難がある、顔色がおかしい、痙攀が起こった、頻回に嘔吐するなどといった、単純な風邪ではないような症状があるときには、これは救急でも受診していただく必要があります。
熱があるけれども元気があって、顔色も良い、そこそこに飲んだり食べたりもできるというような時には、普段の診察時間に良く知っている先生に診て貰うのが一番です。
(最終更新日:2004年11月15日 19:21)■熱が少しあっても元気なとき、鼻水や咳が出るときなど、どの程度で病院にいったらよいのでしょうか?
子ども達は、大人にくらべて体温が高めです。成長や、免疫獲得のためのエネルギー消費が大きく、体が小さい分、体表面積あたりの熱の放散が大人に比べて多いこともあって、37℃前半までは平熱の範囲と考えて下さってけっこうです。また、朝起きてすぐが1日のうちで一番体温が低く(基礎体温)、その後活動によって体温が上がってきますので、夕方から夜にかけては、病気のない元気な子どもでも体温を測ると少し高めということがあります。39℃、40℃といった高熱の時は別にして、少しの熱については、元気がありさえすれば、心配することはありません。
また、鼻水や咳に関しても、体を守る反応という面がありますから、鼻が詰まって呼吸が苦しいとか、咳き込んで苦しくて、嘔吐をしたり、食べ物が食べられなくなるというようなことがなければ、直ちに病院へ向かわなければならないということはありません。
元気な時に比べて、とてもつらそうに見える時が、病院にかかるタイミングと判断してください。
(最終更新日:2004年11月15日 16:39)■冬になると鼻水が出て初夏ぐらいまで続きます。風邪なのでしょうか? それとも鼻炎?
長く続く鼻水というのは、目に入ったゴミに対する反応と同じで、外来の異物(病原体も含めて)から、体を守る必要があって、出ていることが多いのです。全体の状態が良ければ、病気だと思わずに対処して下さって良いと思います。
(最終更新日:2004年11月15日 15:53)■病院へ行くタイミングを教えて下さい
悪い病気で、すぐに適切な治療を受けないといけない病気であるのか、あるいは経過をみても良い病気なのかを見極めることが、病院へ行って診察を受ける最大のメリットです。その見極めが、簡単にだれでも正確にできれば、本当に良いことだと思いますが、実際には大変難しいことです。ですから、病気かなと思った時には、早い時期に、一度は小児科を受診しておかれることをお勧めします。
ただし、熱が出たからといって、すぐにでも救急車ででも受診して貰う必要があるわけではありません。時間外に、救急で受診した場合には、小児の専門医以外の当直医が診察にあたることが多く、また、普段の様子がわかっているかかりつけの先生が診るというわけでもないので、せっかく無理をして病院へ行っても、得られるメリットはそれほど多くありません。夜中であれば、状態がとくに悪くなければ、翌朝まで待ってから、かかりつけの先生にかかるのが最善だと思います。
意識がおかしいとか、呼吸困難がある、顔色がおかしい、痙攀が起こった、頻回に嘔吐するなどといった、単純な風邪ではない症状がある場合には、これは救急でも何でも、受診していただく必要があります。
熱があるけれども元気があって、顔色も良い、そこそこに飲んだり食べたりもできるというような時には、普段の診察時間に、普段のその子の様子を良く知っている先生に診て貰うのが一番です。
小児の病気の大半はウイルスによるもので、自然経過で良くなるということは事実ですが、そのように思って油断していると、実は命を脅かしたり、あるいは重大な後遺障害を残してしまうような悪い病気であったりということが時たまあります。そのような病気の時に、小児科医は、迅速に手をうち、最善と思われる治療を行います。その結果、ほうっておけば重大な結果を招くかもしれない病気をそうなる前に治療し、命を救い、重大な後遺症から逃れることができるようにすることが小児科医の使命です。放っておいてはいけない悪い病気と、自然の経過を見ても良い、たちの良い病気とを、見分けることが小児科医の重要な仕事です。
一般に、たちの悪い、放っておくと重大な問題をおこすような病気の場合には、子ども達は、顔色が悪くなったり、痙攀をおこしたり、頻回に嘔吐をしたり、ぐったりして水も飲めないというような状態になることが多いのです。お子さんが病気の際に、全身の状態を良くみて、そのような重症感があるときには、すぐに小児科医が対応できる施設を受診してください。一方で、熱がある割にはけっこう元気で、水分もそこそこに飲めているというような場合には、それほど急いで受診していただく必要はなく、夜間であれば、朝になってから、かかりつけの先生に診ていただくということで、かまわないと思います。
(最終更新日:2004年11月15日 15:33)